神蔵香芳ダンスシリーズ
カホウダブルスダンスタインスタ公演
『Happy together〜 Happy together 』

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シリーズ『 Happy together 』の2作め。言葉によるダイナミズムが好評を博したスーパーフローティングスタジオ出演の前作につづき、今回は、映像とダンスで構成された作品です。

「神様に会いに教会に行くなんて、なんだかうさんくさい。だけど、スーパーマーケ ットや道端で偶然見かけた神様なら信じられる。猫、たばこ、雑草、ワイン、鼻歌、筋肉痛、ラズベリー、木漏れ日、タンゴ、風信香。さり気ない日常の光景のなかにこそ、愛や真実や魂につながるトンネルがかくされている。ひとよりしあわせでも、しあわせでなくても、いい。どちらもおなじことなのだから。もっと、とおくへいこう。」

いわゆる振付けといった感じでない独特のナチュラルなダンス言語によって、このような感覚を現代の等身大の人間像として表現していきます。


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作家の 吉本ばななさん、画家の MAYA MAXXさんからのコメントです。

『神蔵さんの踊りは女性とか男性を超えている。それはつぶやきでありささやきであるが大きくうねる波音や窓をゆさぶる風の音でもある。幸福だが孤独であり、切実で切ないが懐かしさを呼びさます。踊ることは空間を作ることだと彼女に教えられた。』

吉本ばなな

『神蔵ちゃんのダンスを見ているとこどもの頃を想い出す。
自分がなりたかったこどもの頃や、自分がなりたくなかったこどもの頃や、自分自身のこどもの頃を。そのすべてが、そこなわれることなく今の自分の中に生きていることを確認する。今の自分を作り上げているすべてが、そこなわれていないことが確認できる。
ああよかったって思う。また自分を生き続けようと思う。そんなダンス。』

MAYA MAXX

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新作公演についてのインタビューがdie pratzeのフリーペーパーに掲載されました。

Q(質問):8月の新作はカホウダブルスダンスタインスタとしては約2年ぶりの公演 になりますか?

K(神蔵):ええ。この作品は『Happy together』シリーズ の2作めですが、1作めはス−パ−フロ−ティングスタジオの公演として発表したので、カホウダブルスは本当に久々の出番です。

Q:以前は、神蔵さん=ソロダンスという感じだったけど、最近は「なんかいろいろやってるぞ」という感じがでてきてますよね。そこらへんは本人的にはどう意識してるの?

K:もともと「何かを作る人になりたい」と思っていたから特に違和感はないですね。ダンスが好きでダンスをずっとやっていた。でも、映像も言葉も、オブジェを作るのも好き。それならジャンルとか専門的な知識のあるなしにこだわらず使える手段は全部使って作品を作ればいいじゃない、そう思って、ダンスとその他のことを分けて考えるのをやめたんです。

Q:そうそう、一時、舞台にワイヤーとガラスのコップで作ったオブジェとか小さいヌイグルミとか、いろんな「共演者」がすごくいっぱい出てきたりしてましたよね。

K:あれはあれで楽しかったなあ。
でも、ごちゃまぜの状態で続けているうちに自然と整理されてきて、カホウダブルスでは映像とダンスのコラボレーションをメインに、ス−パ−フロ−ティングスタジオでは言葉とダンスによる物語性のある作品を作るようになってきました。あと、オブジェ作りがヌイグルミ創作に発展して、『うさぎだより』っていう物語とヌイグルミのコラボレーション作品を作り続けています。主人公のうさぎが書いた言葉がダンスのテーマにリンクしたりして、自分で驚くこともあるんです。ダンスを作ろうと思ったら書かないようなことからダンスを作っているんですから。ひとつの作品から予測しないものが生まれて新しい作品になる。
バラバラに見えるそれぞれの活動の間にそういう新鮮な循環があって、トータルに神蔵香芳というアーティストが成立している、そんな感じです。

Q:最後に今度の作品について、テーマとか、イメージなどを、、。

K:気持ちが浄化される空間を作りたいんです。それも神々しいとか神秘的という堅いイメージじゃなくて、たとえば仕事の帰りにコンビニに立ち寄るくらいの気負わない普通さなのに、目線の中に特別な時間が入りこんでくる、そういう空間です。

Q:吉本ばななさんが神蔵さんのダンスに寄せて「踊ることは空間をつくることだと彼女におしえられた」と書いていらっしゃいますね。

K:さすがにするどいなあ、と。わたし、ダンスって結局は空間だと思っているんです。空間というのは表現したい内容を容れるのにふさわしい容器です。その中に目に見えない空気のような何かが降りてくる。その何かによりふさわしい空間を、動きや形やリズムやいろんな要素を駆使して作り続けること、これがわたしにとってのダンスなんです。 



日時 2002年8/8(木)〜8/11(日)
開演 19:30(最終日のみ 17:00開演)
開場 開演の30分前 
作/映像 神蔵香芳
ダンス  神蔵香芳
照明  坂本明浩
音響  川崎克己
企画製作 アトリエミルテ
協力 スーパーフローティングスタジオ
会場 神楽坂die pratze(新宿区西五軒町2-12)
TEL.03-3235-2248 (公演期間中のみ)




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