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[379] 兼題発表! 投稿者:おるか 投稿日:2025/05/03(Sat) 23:14  

麗しの五月
今月の兼題は

ほととぎす  緑(翠もOK)といたします。

山の中に棲んでいる私でも、ホトトギスの声などついぞ聴くことのできない昨今ではございますが、一度は作ってみたい季語でしたので。
それでは、御投句お待ちしております!


[378] 山姥 投稿者:山椒魚 投稿日:2025/04/29(Tue) 07:57  

いつもありがとうございます。
「山姥や全山桜我にあり」「山姥や全山の花我にあり」何回か繰り返して詠むと確かに力強いです。「我にあり」というわりには弱腰でした。

  この杯を受けてくれ
  どうぞなみなみ注がしておくれ
  花に嵐のたとえもあるぞ
  さよならだけが人生だ

硲伊之助の家に井伏鱒二が四泊五日逗留し、加賀の珍味でしこたま飲んだ、どこかに書いてあったのをおもいだしました。 
ご指導ありがとうございました。



[377] 感想ですX 投稿者:おるか 投稿日:2025/04/29(Tue) 01:27  


2 仏舎利塔人影もなく山桜       山椒魚さん


大きな仏舎利塔なのでしょうね。インドのストゥーパの形を模しているそうですが、中には小型で水晶で作られたものもあったりして、ちょっと欲しいな、と思ったことがあります。

仏の骨が納められているという仏舎利塔の辺りに、誰もいないまま、ただ山桜だけが咲いている。静かでよい風景ですね。さりげないけれど忘れられない風景がありますが、この句の景色も又そんなかんじですね。



12 お花見ののんきなカメムシ甲羅干し   水種さん


うう、カメムシたしかにちょっと亀に似てる…ような…。嫌われ者のカメムシに温かいまなざしを向けていらっしゃるのが、優しい。たしかに噛むわけでも、刺すわけでもない平和的な身を守る方法をとっているかもしれませんけどね。



16 桜より我が子の写真ばかり撮る     水種さん


ハハハ後撰集の藤原兼輔の歌に「人の親の心は闇にあらねども子故の道に惑ひぬるかな」がありますが、昔も今も親というものはかわらないものなのでしょうね。

そのうち俳風柳多留「かみなりをまねて腹かけやっとさせ」みたいに、どんな謹厳実直なひとも変顔したり、怖い顔してみせたり、いろんなことをさせられる羽目になるのでしょう。親ってたいへんですね。

それにしても、この読み人知らずの句の年代は1785年ごろのようですから、ちゃんと残っているものですね。




19 花見出来ず通勤電車にて後悔     水種さん


実感でいらっしゃるのでしょうね。しかし、後悔した、とか、作者自身が書いちゃったら、それは日記の文章ですよ。「それはさぞ残念だったろう」と読者に思わせないとね。そういう状況だったら、たとえば、

通勤の車窓に桜通り過ぎ  とか。ちょっと曖昧かな。




21 夜桜にそつと手を振る四歳児     右陣平さん


四歳児っていうのは、なにか特別な年齢なんでしょうか。わたしは、発達心理学とかよく知りませんが、まぁ五歳児なら、かなり自意識も確立して、こっちの世界の人になってる感じですし、三歳児なら、まだ未生の世界に半分つながってるみたいな感じもします。幼児健忘の時期から間がないから、不思議なものがまだ見えたりするのでしょうね。
さくらの木にバイバイする幼子の姿。愛らしいですね。





26 五重塔桜に翼広げたり         織女さん


花の上に見える五重塔の屋根の軒反りが、はなをかばうごとくに翼を広げていると見えた。情景が目に浮かびます。法隆寺かなー。軒ぞりもいろいろあるようですが、室生寺もいいですよねー。




[376] 感想ですY 投稿者:おるか 投稿日:2025/04/27(Sun) 22:34  


5 分断の今世悲しき花一切       山椒魚さん

分断はいろいろありますね。国境や、思想や宗教による分断。しかし、逆にみんなニコニコ同じ価値観を共有する、というのも不気味です。差異があるのは当然のことですが、それを悲劇的なものにしてしまうのが、人間のさがというものなのでしょうかしらねー。
問題は「花一切」ですね。「花一輪」でも良かったのでは


7 その後のこと語り合ふ夕桜   真里子さん


「その後」はいろいろな解釈が出来そうですが、私は「自分のいなくなった後」のことか、と思いました。「葬式は簡素に」と法皇聖下の如くお願いしたり、相手の方のことを気遣ったり。そういうことは、ため息の出るほど美しい夕桜の下で話したいものですね。




11 テストラン人口島に花の雨     右陣平さん

万博は大賑わいのようですね。正式の開会に先駆けてのテストラン。今回の万博のコンセプトが何なのか知りませんが、会場の人工島にも花は咲いて雨に濡れていた。愛おしい花の姿ですね。

1900年のパリ万博を見た夏目漱石は、その植民地当然の西欧的価値観至上主義に「国際資本主義の巨大な見世物小屋を前にして、大衆は痴呆と化す」と書いていますが、ずいぶんと真面目なご意見ですね・。

 各国がどんな顔を見せたいのか、眺めるのは面白いかもしれません。「楽しければ何でもいいじゃない」、というのが、現代の日本人の恐るべき懐の深さかも知れません。



4 桜餅路面電車に揺られし日   真里子さん

過ぎ去った、とある日に、路面電車に揺られてお花見に出かけられたのでしょうか。ふんわりした色のカワイイ桜餅を前にして、過ぎた春の日々を思う。花の中に浮かぶ懐かしい顔。桜餅の薄しょっぱさが沁みる。




15 花の雲暫く目線を同じうす   真里子さん


花の雲を眺める、しばらくの間だけ、目線が同じになった。隣にいながら別々のものを眺めている二人の、つかの間和やかな一瞬。さくらならでは。ドラマのワン、シーンのようです




24 山姥や全山桜我に在り       山椒魚さん


黒だ杏子先生は、ご自身のことを「女書生」とか「山姥」とかおっしゃって韜晦してらっしゃいましたね^。

山姥と桜はなかなか良い取り合わせです。ただ、細かいようで申し訳ありませんが「全山の桜」なのか「全ての山桜」か、ちょっとまよいました。

おそらく「全山」だろうと思いますが、でしたら「全山の花我にあり」の方が勢いが感じられるのではないでしょうか。


[375] 感想ですV 投稿者:おるか 投稿日:2025/04/27(Sun) 01:34  



27 墓仕舞い母に詫び入れ花朧      右陣平さん


現代の光景ですね。なんとなく電話で話しているとばかり思いこんでいましたが、そう書いてあるわけではないから、きちんと相対して「詫びを入れて」いらっしゃるのでしょうか。そうなら、かなり律儀で礼儀正しい光景に感じます。


ともあれ、お母様もすでにほぼ納得なさっていらっしゃるのでしょうね。お互いに思いやりあい、気遣いあっている気息が感じられます。


1 ひよどりといふ破落戸が花散らす     九鼠さん


ハハハ、たしかにひよどりは破落戸って感じですね。まさに、言い得て妙。

仕事机の前の窓から眺められる木々に、今日もヒヨドリが来て、我が物顔に枝葉をゆらしていました。「破落戸め!」とゆってやりました。





3 桜咲き満ちて黄昏満ち足りる     ともこさん

花時の黄昏の色は何とも独特のニュアンスがあります。なるほど、あれは満ち足りた色だったのですね!なっとくしました。美しいです。

 ボードレールの「悪の華」の中の「旅へのいざない」の、けだるさの中の悦楽的な、ここではない彼の地の黄昏の色などおもいうかべました。「沈む太陽の 平原を、小舟を、そして町中を 塗りこめる、あのヒヤシンスと黄金の色」拙訳で申し訳ありません。原文は、ほんとに美しいんですよ。





17 足湯して切り岸の花見てゐたる     九鼠さん


足湯という、のどかで、しかし全身浸かっちゃうとはちがってほどほどでごく日常的な、あえて言えば、小市民的な安らぎと、それと対比的に切り立った崖に咲く桜。見事な取り合わせです。「見てゐたる」が、また秀逸。作者がある思いを抱いてみているのだ、ということがわかります。どういう思いかは、読者に投げかけられている。うまい。







[374] 感想ですU 投稿者:おるか 投稿日:2025/04/23(Wed) 01:29  



花冷えや命それぞれと呑み込むも      洗濯機さん


「呑み込むも」の「も」に万感がこもって感じられます。

芭蕉の 

命二つの中に生きたる桜哉

井伏鱒二の翻訳

花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ

等等、花の詩句がさまざまに思い出されます。


一つとして同じもののない命というもの。それぞれなのだと分かってはいるけれど、先立つもの後になる者、思えばさすがに胸につかえるものがあります。



22答無き問降りしきる花の森      洗濯機さん



不可思議にしてしかも美しい。答えのない問いは、さまざまありますが、それが音もなく降りしきる光景とは、形而上的というか。
シェイクスピアは「問うことが出来たら、半分答えが出たようなものだ云々」と言ってましたが、永遠に答えのない問いを発することが出来たらそれはすごいことですよね。




13 頂上に山の鬱ある桜かな      織女


深沈と咲き誇る桜に一抹の鬱を感じ取るのは誰しものことかもしれません。しかし山の頂上に鬱があり、そこにまた桜が咲いている、というのは、どこか怖ろしいような重々しさです。


[373] 感想です 投稿者:おるか 投稿日:2025/04/20(Sun) 01:17  



8 淀みなくほぐれて深し八重桜     ともこさん

洗濯機さんのご感想のとおり、私も八重桜の捉え方として、今までにないものがあrと思いました。斬新でいて、しかも落ち着いている。「よどみなく」が特に凄いですね。感心しました。凄い句だと思いました。


4 葉桜となりゆく谷戸の夜風かな   ともこさん


夜風の中に、葉桜の気配というか息遣いのようなものをかんじとっている。感性の深さをかんじます。こちらも見事な一句。

切れ字「かな」が、実に利いています。「や、かな、けり」は伝家の宝刀、ここぞというときに抜け、としつこく言ってますが、まさに、これですよ!って感じです。




23 この町に合はせる時計桜咲く    織女さん


どことなく不思議な感覚です。プルーストは作品名がまず「失われた時を求めて」ですが、時間についての箴言もいろいろありますがその一つに「一時間はただ流れるのではなく、香りや色彩等、さまざまの感覚が湛えられ蒸留される場なのだ」というようなことをかいています。
住み慣れた街の時間に時計を合わせるのは、その町の持つ記憶に同調すること。そこに出会う櫻は、たまたま通りすがりで眺めたのではなく、まさに出会いの絶景ということでしょう。



18 越後いま花の盛りぞ康成忌      九鼠さん

美しいですね!「雪国」の駒子さんには、確かに桜が似合います。康成の御命日は4月16日でしたね。はた目に分かるような理由もなく、あっさり自殺なさってしまいましたが、花のせいだったのでしょうか。



20 仕舞風呂先客一人今日の花      洗濯機さん

いや、風流ですね。
他の人が皆すでに入ってしまった しまい風呂。夜も更けた時間に出会った先客とは…。じつは今日の花ですよ、と洒落た身のこなしですね。開けた窓から、花の一片が入ってきたのでしょうか。風流です。






[372] 感想です 投稿者:ともこ 投稿日:2025/04/17(Thu) 07:34  

10 花冷えや命それぞれと呑み込むも
「命それぞれ」という表現に惹かれました。
だんだん命が惜しい年齢になり、しみじみ味わいました。

1 ひよどりといふ破落戸が花散らす
声荒く飛んでくるひよどりを、「破落戸」に例える感性が素晴らしいな、と感心しました。

6 錆び付きし抽斗一つ花曇
「抽斗」という文字に惹かれました。「引き出し」じゃないから、錆びや曇りが生きてくるのですね。
さすがだなと思いました。

25 糸桜骨離れ良き雑魚の肉
糸桜というと、はかなくそよ風に揺れている感じしか思いつきませんでしたが、
「骨離れ良き魚」が来るとは・・凄すぎる・・

27 墓仕舞い母に詫び入れ花朧
墓じまいを決断された、何とも言いようのない気持ちが「朧」に表現されているように思いました。


[371] 感想 投稿者:洗濯機 投稿日:2025/04/17(Thu) 02:04  

◎8 淀みなくほぐれて深し八重桜
こんな風に桜(特に「八重桜」)をとらえることは無いように思える.
バラバラにして,『淀みなく』,『ほぐれて』,『深し』としても,
それぞれを分析できない.でも全体として『八重桜』の重量感が
たしかにそこにある.としかいえない重さ,深さ.

○9 糖蜜に木の匙の味花の昼
いわゆるシロップですか.何を舐めておられるのか.
銀の匙の冷たさ・無機感に対して,木の匙の五官に与える喜び.

○13 頂上に山の鬱ある桜かな
『鬱』というのは,満開の桜の山の重量感でしょうか.

○18 越後いま花の盛りぞ康成忌
4月16日は川端康成の命日.1972(昭和47年).
三島由紀夫との因縁,ただならず.川端のノーベル賞は大事件でしたが,
三島と川端は両方とも受賞リストにあったとか.
1970年(昭和45年)自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決.
1972年(昭和47年)川端が自宅でガス自殺.
感慨深い年月でした.
学生運動の最盛期で,昭和44年には東大の入試ができなかった.

○25 糸桜骨離れ良き雑魚の肉
この雑魚はどんな魚でしょうか.
当地ではこの時期,川魚で,桜ウグイが有名.
身がなくて,皮をぱりぱりに焼いて.甘味噌を塗って食う.



[370] 結果発表! 投稿者:oruka 投稿日:2025/04/16(Wed) 22:51  

水族館句会四月

兼題  花一切

◎◎◎〇〇8 淀みなくほぐれて深し八重桜   ともこ
4〇〇〇◎ 葉桜となりゆく谷戸の夜風かな   ともこ
◎〇〇23 この町に合はせる時計桜咲く    織女
◎〇9 糖蜜に木の匙の味花の昼         おるか
◎〇18 越後いま花の盛りぞ康成忌      九鼠
◎〇20 仕舞風呂先客一人今日の花      洗濯機
◎10 花冷えや命それぞれと呑み込むも      洗濯機
〇〇〇〇22答無き問降りしきる花の森      洗濯機
〇〇〇6 錆び付きし抽斗一つ花曇          おるか
〇〇〇13 頂上に山の鬱ある桜かな      織女
〇〇〇27 墓仕舞い母に詫び入れ花朧 右陣平
〇〇1 ひよどりといふ破落戸が花散らす     九鼠
〇〇3 桜咲き満ちて黄昏満ち足りる     ともこ
〇〇17 足湯して切り岸の花見てゐたる     九鼠
〇〇25 糸桜骨離れ良き雑魚の肉       おるか
〇5 分断の今世悲しき花一切       山椒魚
〇7 その後のこと語り合ふ夕桜   真里子
〇11 テストラン人口島に花の雨     右陣平
〇4 桜餅路面電車に揺られし日   真里子
〇15 花の雲暫く目線を同じうす   真里子
〇24 山姥や全山桜我に在り       山椒魚
2 仏舎利塔人影もなく山桜       山椒魚
12 お花見ののんきなカメムシ甲羅干し 水種
16 桜より我が子の写真ばかり撮る     水種
19 花見出来ず通勤電車にて後悔     水種
21 夜桜にそつと手を振る四歳児     右陣平
26 五重塔桜に翼広げたり         織女


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