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[563] 感想ですU 投稿者:おるか 投稿日:2025/11/21(Fri) 02:57  



17神在りて柊の花零れるや      山椒魚さん


柊の白い小さな花。パラパラとこぼれ落ちて地面に散り敷きます。香りも高く良い花です。
神在は出雲の他に諏訪でも、その地から外へ出ないと約束したので神様いらっしゃるんですよね。初冬の日差しの中で音もなく零れる白い花。散ることは衰退というだけではなくそれもまた神のみそなわすことであるという、大いなる肯定の世界観です。
小さなものの上に顕現する大いなる肯定。美しい一句です。



9 神職は早折の家系七五三          洗濯機さん

早世は神の愛で給うためであるとよく言われます。この句の神職の方もきっと清らかな、やや線の細い印象の方なのでしょうね。子供達の元気な成長を願う七五三を和やかに眺めていらっしゃる姿も、一入尊い。




11 煎餅のカリと音して神無月         真里子さん


『カ』音の乾いて硬質な響きが初冬の空気感を感じさせます。こういうさりげないことに季節の気分を捉えるのも俳句ならでは。




16 ご料場の日射しに神を送る道        織女さん


料場ときくと、なんとなく猟場を連想してしまいますが、、天皇の直轄地という意味なんだそうですね。おそらく自然豊かな地なのでしょう。樹木や草草もゆったりと生えていそうです。明るい初冬の日の中、日矢が動いたのでしょうか、風が通ったのか、道が顕現する。神の通る道だ、と直感なさったのでしょう。大きな句。




22 野を焼いて神の通れる道作る        織女さん


古事記、日本武尊の相模の国の野原で火をかけられたときのことなど思い出されます。弟橘比売命の「さねさし相模の小野に燃ゆる火の火中に立ちて問ひし君かも」もそのときのおもいででしょうか。まさに絶唱ですね!

野焼きの中に神のお通りになる道がある。素晴らしい。




3 神うまし蟹丼の上の蟹の面        風林さん


「神うまし」これは古事記万葉の「神宇摩し」というより最近の表現で、非常にこなれた素晴らしいことに「神」とつけるそっちの方でしょうか?蟹丼の上に、カニの殻かなんかのっていたのでしょうか、おいしそう、



〇4 鵯のこゑ梢に渇く神の留守        ともこさん


声が梢に乾く。この把握が秀逸です。ひよドりは野鳥のなかでは体も大きくよくみかけます。声も良いとは言えないけれどわかりやすい。
大きな声で梢に存在感を示す鵯。この季節らしい味わいです


[562] 感想です 投稿者:おるか 投稿日:2025/11/19(Wed) 23:31  



13 凩や義仲殿の潔し    山椒魚さん

木曽義仲は、中国の歴史上の人物だったら、項羽みたいな、一代の武将として三十年の人生を駆け抜けた人ですね。

義仲を北陸道方面へ逃れさせようと獅子奮迅の今井金平に「一緒に死のうと思って来たのだ」というあたり泣かせます。

芭蕉は義仲が好きだったようですね。義経もですが判官贔屓というのは今も昔もかわりません。
はらはらと葉を散らしつつ吹きすぎるいちじんの木枯らしと木曾殿の取り合わせ。よくにあいます。やや似合いすぎる…かな?



2 貝殻の濡れては乾く神の留守     織女さん


 この極々淡い詩情は俳句ならではのものでしょう。
海岸の砂に半ば埋もれて濡れては乾く小さな貝殻。 虚しさ、や徒労感などと、ことさらに言上げすると逃げてしまうような、薄々とした情趣です。これぞ細み、軽み というものではないでしょうか。

神の留守という言葉の形而上的ニュアンスも、生きている。




5 凍鶴や星は神話を語り出す     ともこさん

冬の星座は一等星が多くてきらびやかです。きれいですよね。

現代の星座にまつわるはなしはギリシア神話で、それも楽しいけれど、それだけではなく、ドゴン族の神話とか世界中の星にまつわる神話の数々を聞き取った、古代の人々のように作者にも星々がささやきかけてきたのかもしれませんね。





7 凩は聞くもの誰も来ぬ時刻      真里子さん


「凩は聞くもの」たしかにその通り。枯葉の舞う姿など目に映るものも、または髪を乱して過ぎる冷たさもそれぞれよいけれど、やはり凩は「聞くもの」ですね。
作者の透徹した孤独の世界は充実しているのでしょうね。





18 凩の中首塚も胴塚も         九鼠さん


凄い句ですねー!! 
このあたりには斎藤別当実盛の首洗い塚があります。洗ったら白髪があらわれて義仲が泣いたというお話ですね。
「首塚」だけだと、つい平将門のビルの谷間の将門塚を思い浮かべますが、首塚も胴塚も各地にあるようです、古戦場のちかくとか。
平安末期から戦国のじだいはそれこそ一所懸命で殺し合いをしてきたのですね。人間の愚かさというか哀れというか、塚をめぐる凩の音に、首を垂れずにはいられません。






[561] Re:[559] 感想です 投稿者:ともこ 投稿日:2025/11/18(Tue) 09:52  

> 余談ですが、私の地元に大虫神社という神社があります。
> 宮司は代々岡本家で、現在の宮司は101代目です。赤穂討ち入りの岡本父子は親戚とか。

すみません、岡本家ではなく、「岡野家」です。


[560] 義仲殿 投稿者:山椒魚 投稿日:2025/11/17(Mon) 11:23  

凩をイメージすると義仲殿が浮かびました。洗濯機さんのご説明で納得しました。凩はスカッとしていて好きです。
「柊の花」は白くて小さな花です。クリスマスに飾られるヒイラギとは違うと思います。赤い実をつけてます。
                   重度植物オンチ山椒魚




[559] 感想です 投稿者:ともこ 投稿日:2025/11/17(Mon) 10:15  

> 7 凩は聞くもの誰も来ぬ時刻
凩は聞くもの・・その通りだなと妙に納得しました。

> 1 帰る辺のなくて凩明るくて
凩が明るいというところが、意外性があって惹かれました。
風の又三郎を思い出しました。抒情的な素敵な句と思います。

> 3 神うまし蟹丼の上の蟹の面
近頃、神対応という言葉をよく目にするので、「神旨い」もあるのかなと世代の違いを感じました。
蟹は今月漁が解禁になった、セイコ蟹やズワイ蟹のことと思いますが、季語として難しいところでしょうか。

> 12 神去りの鬼の子鳴かぬ蓑の内
鬼の子とは蓑虫のことでしょうか。
こどものころ、蓑虫の蓑を裂いたら、黒々とした不気味な幼虫がいました。
こんな不格好な子が、こんな頑丈な蓑を一生懸命に作ったのかと思うと、裂いてしまった自分が情けなくなったものです。
近頃は蓑もさっぱり見かけなくなり、たまに発見しても中はからっぽだったりします。蓑虫やーい。

> 13 凩や義仲殿の潔し
歴史を語る俳句もあるのですね。言いえて妙といいますか、さすが山椒魚さんです。

9 神職は早折の家系七五三

早折という悲哀感と、七五三の着物姿の子供の晴れやかな顔が対照的な佳句と思いました。

余談ですが、私の地元に大虫神社という神社があります。
宮司は代々岡本家で、現在の宮司は101代目です。赤穂討ち入りの岡本父子は親戚とか。


[558] 水族館句会十一月結果発表! 投稿者:おるか 投稿日:2025/11/16(Sun) 21:52  


水族館句会十一月

兼題  凩  神

  

◎◎〇〇13 凩や義仲殿の潔し    山椒魚
◎◎〇2 貝殻の濡れては乾く神の留守     織女
◎〇〇〇5 凍鶴や星は神話を語り出す     ともこ
◎〇〇1 帰る辺のなくて凩明るくて      おるか
◎〇7 凩は聞くもの誰も来ぬ時刻      真里子
◎〇18 凩の中首塚も胴塚も         九鼠
〇〇〇〇17神在りて柊の花零れるや      山椒魚
〇〇9 神職は早折の家系七五三          洗濯機
〇〇11 煎餅のカリと音して神無月         真里子
〇〇12 神去りの鬼の子鳴かぬ蓑の内        おるか
〇〇16 ご料場の日射しに神を送る道        織女
〇〇22 野を焼いて神の通れる道作る        織女
〇3 神うまし蟹丼の上の蟹の面        風林
〇4 鵯のこゑ梢に渇く神の留守        ともこ
〇8 枯れ枝踏む熊の足音神無月        おるか
〇10 かの人は神即自然冬の月          山椒魚
〇14 神農祭張子の虎を笹に吊り        九鼠
〇15 海に出て木枯し大吊橋を渡る        九鼠
〇19 凩や恋の襟首入りきり           洗濯機
〇20 凩や鳴かず鳴く蟲地の奥に       ともこ
6 神の旅大阪寿司のバッテラも          真里子
21 凩や墓屋の隣マッサージ            洗濯機


[557] 無題 投稿者:真里子 投稿日:2025/11/16(Sun) 21:13  

◎2 貝殻の濡れては乾く神の留守

○1 帰る辺のなくて凩明るくて
○9 神職は早折の家系七五三
○10 かの人は神即自然冬の月
○16 ご料場の日射しに神を送る道





[556] 選句 投稿者:おるか 投稿日:2025/11/16(Sun) 21:01  


◎2 貝殻の濡れては乾く神の留守

○16 ご料場の日射しに神を送る道
○17 神在りて柊の花零れるや
○18 凩の中首塚も胴塚も
○22 野を焼いて神の通れる道作る



[555] 選句 投稿者:洗濯機 投稿日:2025/11/16(Sun) 18:57  

◎13 凩や義仲殿の潔し
義仲という人は,軍人として優れた人だったらしいが,
敵というより味方であるべき人たちに敵がおおかったようですね.
そんな中で頑張っておられた「潔い」人といわれるべき.
雨も雪も伴わない凩のように.

○5 凍鶴や星は神話を語り出す
数年前白内障の手術をして,驚いたのは,夜空の星々の鮮明さでした.
特に冬の星座は胸を打ちます.

○7 凩は聞くもの誰も来ぬ時刻
耳だけが生きている時間.
ことさら耳を欹てなくても,凩が語りかけてくる,そんな時間.

○15 海に出て木枯し大吊橋を渡る
我が在所に,まさにそのような巨大な大橋が架かっています.
先日渡ったばかりなのでその印象が残っています.

○17 神在りて柊の花零れるや
「柊」よく知りませんが,洋風の葉という雰囲気です.
「神有る」という言葉がぴったりです.
クリスマスに使われるのですか.



[554] 選句 投稿者:織女 投稿日:2025/11/16(Sun) 15:43  

18凩の中首塚も胴塚も

8 枯れ枝踏む熊の足音神無月
13凩や義仲殿の潔し
14神農祭張子の虎を笹に吊り
17神在りて柊の花零れるや


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